行政手続法の効果


申請に対する処分手続

申請に対する処分手続では、@申請→A申請の審査→B処分の決定という3段階になります。
行政手続法では、許可、不許可の「審査基準」が定められることにより、行政庁の窓意的な取扱を防ぎます。
また、「標準処理期間」の設定により、申請者にとって処理に要する時間の目安が明らかになります。さらに、「審査開始義務」により行政庁は申請書が到着したら、遅滞なく速やかに処理しなければなりません。
さらに、行政庁は申請を拒否する場合は拒否理由を示す義務があり、併せて申請に対する問い合わせに応える義務も負います。
このように、「申請に対する処分」では、行政庁は、どういう条件をクリアーすれば許可になるか、またその申請の審査に要する処理期間を明らかにしなければならず、さらに申請書到達後直ちに審査を開始しなければなりません。いわゆる棚ざらしといったことは許されません。また、不許可の場合は、「ダメなものはダメ」ということは許されず、そのダメな理由を提示しなくてはなりません。この理由提示により、申請者は、次回の申請でどこを直せば許可になるか明らかに、なります。これらのことに加え、審査状況や申請書類の記載方法などの問い合わせにも応えることになっています。
以上のように、「申請に対する処分」では、処理をスピーディに進め、かつ誰にとってもわかりやすい内容になっています。

不利益処分手続

不利益処分は、@処分の告知→A処分の相手方の意見陳述→B処分の決定という経過をたどります。
行政庁が、営業免許の停止や取消を行う場合、免許の停止や取消をする前に、取消の対象となる人からきちんと事情を聞いて、その上で取消処分をするという、事前の手続を行わなければなりません。
行政手続法が制定される前は、個々の法律に事前手続の規定のあるものやないものがあり、制度間の不備、不続一が指摘されていました。
行政手続法により、個々の法律に不利益処分の規定がなくても、不利益処分を行う場合は、役所は行政手続法の定めに従って、処分の相手方に対して@聴聞、あるいはA弁明の機会の付与という、「意見陳述のための手続」をとらなければなりません。
さらに行政庁には、不利益処分に関して処分基準を策定し、公表することが求められて
います。


行政指導手続

従来、法律には 「行政指導」という法令用語はありませんでした。また統一的な規定もなく、定義も明確ではありませんでした。行政手続法において初めて法令用語として認知を受けたことになります。
行政指導にあたる者(役人)は、役所の任務・所掌事務の範囲を逸脱してはならず、行政指導の指導内容は相手方(国民・企業)の任意の協力によってのみ実現されることになります。さらに、相手方が、その指導に従わないことを理由に、不利益な取扱いをすることはできません。
また、申請の取り下げや申請内容の変更を求める指導を行う場合は、その指導に従う・従わないは申請者の自由ですから、申請が出されれば、たとえ行政指導を継続中であっても審査に入らなければなりません。
役所が持っている許認可権限をちらつかせて、これまで 『この指導に従わなければ、次回の申請はどうなるかわかりませんよ』「といって行政指導に従わせる手法がとられる場面もありましたが、そのようなことは禁止されています。
このように行政指導には法的根拠をを持たない不明確な点が多かったのですが、行政手続法は行政指導に際しては、相手方に対して、@行政指導の主旨、A内容、B責任者の明示を求めています。さらに、口頭でなされた指導であっても、申請者が書面の交付を要求した場合には、役所は特別の支障がない限り、書面を交付しなければなりません。
                               日本行政書士会連合会発行冊子より