行政手続法のポイント

行政手続法は行政の全分野にわたる基本法制で、国民の権利・利益に直接係わる行政手続を規律しており、@申請に対する処分手続、A不利益処分手続、B行政指導手続の3つの柱からなっています。

申請に対する処分

行政手続法は許可、認可、免許等の申請において、迅速・透明な処理の確保を目的としており、ポイントは以下の5点になります。

@ 審査基準: どのような条件をクリアーすれば許可、認可、免許がとれるか、といったことを具体的に定め、公表する。
A 標準処理期間: 申請が出されてから、役所が結論を出すまでに要する期間を定めるように努め、公表する。
B 審査開始義務: 申請書が役所に届いたら、直ちに審査を開始する。
C 理由提示: 許可できない、免許できない場合には、同時にその理由を示す義務を役所に課しています。
D 情報提供の努力義務: 申請に対する問い合わせ(添付書類・審査状況)があった場合、役所は記載方法、結論の出る時期の見通しについて、情報を提供しなければなりません。

不利益処分

行政庁が許可、認可、免許等の取消、営業停止等の不利益処分を行う場合、公正・公平な手続の確保を目的として、処分を行う際の基準の設定、公表を求めた上で、次の3点を規定しています。

@ 弁明手続: 営業免許等の停止の処分の際には、弁明手続が義務付けられており、処分される人は、弁明書やそれを証明する資料を役所に提出する機会が与えられます。
A 聴聞手続: 営業免許等の取消の処分に際しては、処分される人は意見を述べたり、証拠書類の提出、また処分理由の質問、資料の閲覧を求めることができます。
B 理由提示: 弁明・聴聞等の事前手続を経て、行政庁が不利益処分を行う場合は、同時にその理由を示さなければなりません。

行政指導

「行政指導」という言葉は既に国際語になっていますが、これまでの法律には行政指導という統一的な規定はなく、定義もはっきりしませんでした。しかし、これほど多用され、しかもわかりにくいものはありませんでした。行政手続法では行政指導について、明確性・透明性の確保を求め、次の点を規定しています。

@ 一般原則: 行政指導を行う場合は所掌事務の範囲を超えず、相手の任意の協力を前提とし、従わないことを理由とした不利益な取扱を禁止。
A 申請、許認可等に関連する行政指導: 申請の取り下げを求めたり、許認可等の権限を背景とした行政指導を行う場合には、申請者の権利を制限したり、地位を利用して指導に従わせることを禁止。
B 明確化原則: 行政指導を行う場合には、その趣旨、内容、責任者を明確にする。さらに行政指導を受ける人の求めに応じて書面を交付する。また、事案に応じて、行政指導に関する指針を定め、公表する。

(届出手続)

届出については、これまで不受理や返戻といったことが頻繁にありましたが、届出は法令に定められた形式上の要件(@記載事項に不備がないこと、A必要な書類が添付されていること)を満たしていれば、提出先とされる行政機関の事務所に届いたときに届出の手続は完了したものとされます。
日本行政書士会連合会発行冊子より